認認介護が現代社会において問題視されている一因は、高齢者がさらに高齢の家族を介護する状況が増えていることにあります。
これは、老老介護と同様に深刻な事態ですが、認認介護の場合、介護を受ける側も提供する側も認知症の症状があるため、その問題はさらに複雑なものとなります。
認知症は、記憶や判断力が低下する病気で、日常生活に大きな影響を及ぼします。介護を必要とする人が認知症である場合、家族は特に大きな負担を感じることがありますが、認認介護ではその負担はさらに増大します。
認認介護の大きな課題は、まず介護を提供する高齢者自身が認知症の進行によって、自分の健康や安全を守ることが難しくなることです。これにより、誤った介護方法や事故が起こる可能性が高まります。さらに、認知症の進行は予測が難しく、いつ介護環境を変更するべきかの判断も難しいため、適切なサポートを受けるタイミングを逃しやすくなります。
また、認認介護の家庭では、介護サービスへのアクセスが難しいこともあります。認知症による判断力の低下が原因で、必要なサポートを求めることが困難になる場合があるからです。さらに、経済的な問題や地域社会とのつながりの欠如が、これらの家庭に適切な支援が届かない原因となります。
解決策としては、地域社会や政府がもっと積極的に関わって、認認介護の家庭が抱える問題を理解し、支援を提供することが必要です。また、認認介護の現状をより多くの人に知ってもらうことも大切です。知識が広がることで社会全体が支援の手を差し伸べやすくなり、介護の質の向上にもつながります。認認介護は一人ひとりの問題ではなく、社会全体で向き合うべき課題です。